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透析

患者さんにとって理想の体重増加量とは?

こんにちは!臨床工学技士ゆうです。

透析治療に来る患者さんの体重増加量ってそれぞれですよね。

全然体重増加のない人もいれば、ものすごく増えてくる人もいます。

  • 果たして理想の体重増加はどれくらいなのか。
  • もし増えすぎてしまった時にはどう透析をしたらいいのか。

などお話します。

 

Contents

理想の体重増加量はDWの3〜5%

いきなり結論を言ってしまうと、透析間の体重増加量はDWの3〜5%以内が望ましいとされています。

DW60kgの3〜5%なら1.8〜3kgです。

計算方法はDW60kgの場合、

3%なら0.3をかけます。例)60×0.3=1.8

5%なら0.5をかけます。例)60×0.5=3

ただ2日空いたあとはどうしても体重増加は大きくなるので、その日はDWまで除水できなくても一週間でDWに持っていくようにしましょう。

 

体重増加が及ぼす影響について

じゃあ逆に一週間で調整できればめちゃくちゃ体重を増やしてきていいのか?

と言われるとそんなことはありません。

毎回体重増加がDWの8%という人がいて、でも一週間で引ききってしまう人がいるんです。

こういう話を稀に聞きます。

確かに1週間で引ききれるなら基本的には問題ありません。

しかし、体重が増えすぎている状態は、体内で色んな負担とリスクがかかっていることも頭に入れておいて欲しいです。

 

心臓に負担

透析患者さんにとって体重増加が多い状態とは、体内の余分な水分が多いとも言えます。

そのため血管内にも水分が多く存在し、血液を送り出す心臓に負荷がかかることになります。

透析患者さんは心臓疾患を併発している方が多く、心臓に負担をかけることはあまり理想ではありません。

 

呼吸苦の出現

体内にある余分な水分は身体中にむくみ(浮腫)を起こし、肺にも例外なく水が溜まります。

肺に溜まった水のせいで呼吸苦を訴える方も多くいます。

これは透析で除水をする事で収まることがほとんどです。

 

透析中の血圧低下のリスク

体重増加が多いと、沢山水を引きたいがために1時間あたりの除水量が多くなってしまいがちです。

徐水量が多くなることで生じるのは血圧低下です。

そもそも透析では血液を取り出して毒素や水分を抜きます。

組織から直接水を引くことはできません。

でも透析後に組織内にあったはずのむくみは改善しますよね。

あれは組織から血管内へ水の移動が起こっているからです。

このような組織→血管への水の移動を“プラズマリフィリング”と言います。

体重増加が多く徐水量が多くなると、プラズマリフィリングが間に合わず血管内の血液の量が減り、ひいては血圧低下を引き起こします。

 

血圧低下が起こることによって生じるのは、気分不良・吐き気・下肢つり・意識消失など様々ですが、一つとして良いことはありません。

 

 

それでも体重が増えてしまったら

人生には様々なイベントがつきもので、忘年会・食事会・旅行…と様々な場面に直面します。

どんなに日頃気をつけていても、どうしても体重が増えてしまうことはもちろんあり、多少は仕方がありません。

体重増加が多い時の透析の仕方や心構えがあるのでぜひ患者さんに伝えてもらえたらと思います。

 

時間を長くする

体重増加が多いときはいつもの時間で除水をすると徐水量が多くなってしまいます。

あまりに徐水量が多すぎると血圧低下に繋がるため、透析時間を延長しましょう。

いつも4時間のところを4時間半、5時間と延長することで1時間当たりの除水量は少なくなります。

 

体重をこれ以上増やさないようにする。

体重増加が多い週は1週間でDWに持っていけるようこれ以上の体重増加は抑えてもらいたいところです。

だからといって食事を抜いたり水を一切口にしないというのはおすすめしません。

そこで体重増加に繋がりそうなものを控えるよう伝えて欲しいのです。

控えて欲しいものは以下の通りです。

  • 塩分が多いもの
  • 麺類や鍋
  • 冷たい飲み物
  • 甘い飲み物

塩分は取れば取るほど水が欲しくなり結果飲水量が増え体重増加に繋がります。

麺類や鍋も麺や具材に水分が意外と多く含まれており、体重増加に繋がり易い食事です。

冷たい飲み物は喉越しがよくぐいぐい飲んでしまいがちです。

甘い飲み物はかえって喉が乾きます。

体重が増えた週はせめてこの辺りに気をつけて、これ以上体重が増えないよう指導してほしいです。

 

まとめ

透析患者さんの理想の体重増加量はDWより3〜5%です。

指導の際には、実際に患者さんのDWに当てはめて患者さんに伝えましょう。

また止むを得ず増えてしまった時には、今後これ以上増えないようにアドバイスをすることも大事です。